Column

2018.06.11

アドフラウド対策の重要性




トレーディングデスク局
Trading Division マネージャー
宮田 真理

アドフラウドという言葉をご存知でしょうか?

昨今様々なイベントでもアドフラウドを題材としたセッションが行われておりますので、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
アドフラウドは以前より欧米を中心に問題視されており、対策も進んでいます。一方で国内のアドフラウド対策の本格的な取り組みは徐々に始まってはいるものの、まだまだという印象です。
弊社ではアドフラウド対策を重要視し、様々な業種の広告主様へもアドフラウド対策のためのサービスをご提供しております。

本稿を通じてアドフラウドについての理解を深めると共に、アドフラウド対策の重要性を少しでも感じていただけますと幸いです。

■アドフラウドとは?
アドフラウドとは、その名の通り「広告詐欺」です。不正広告と言った方がイメージしやすいかもしれません。意図しない形で広告が表示されているケースや、本来「人」に閲覧してもらうべき広告を「機械」により過剰に表示させる手法など、一言でアドフラウドと言っても様々な種類が存在します。これらは不正な事業者の収益源となっている場合もあります。

ここではアドフラウドの一例を紹介します。

(1)Hidden Ads(隠し広告)
人が広告を目視できない状態で広告を表示し、Impression(以下、Imp)を発生させている手法です。
システム上では広告が表示されている状態となっているため費用が発生しますが、ユーザーの目には触れていません。
不正なアクセスが行われているケースに多く見られる手法となっています。

(2)Auto Refresh(自動リロード)
ページ全体、または広告部分を何度も自動更新させることで、広告の表示回数を増やす手法です。
動画などの滞在時間が長いページで画面に表示されていない領域に広告を掲載し、広告を切り替えることで過剰にImpを発生させることもあります。

(3)Imp/Click Bot, Retargeting Fraud(プログラムされたブラウザによる広告閲覧)
ImpやClickを人ではなく、プログラムされたBotが行う手法です。
プログラムの内容によってはImpだけでなくClickを偽装するケースや、企業のサイトに予め自動訪問することでリターゲティング広告を表示させるものもあります。

(4)Ad Destiny(過剰な広告領域)
広告枠が過剰に設置されているページを表示させ、不正に広告のトラフィックを稼ぐ手法です。
トラフィックを集める際に、Search Engine Optimization(以下、SEO)スパムなどを組み合わせて不正を行うケースがあります。
Googleなどのクローラーに対しては正常なページを見せて検索のインデックスを作り出し、一般のオーディエンスが検索経由で訪れた際には広告しかないページを表示させます。
実際に見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

(5)Ad Stacking
1つの広告枠に複数の広告を重ねる手法です。
閲覧者には最上層の広告しか見えませんが、見えていない広告の広告主にもImpやClickとして反映され、課金されてしまいます。
出典元: https://supership.jp/magazine/interview/1795/

今回ご紹介したのは5種類ですが、他にも様々なアドフラウドの手法が存在します。
日本のプログラマティック広告取引におけるアドフラウドの割合は、インテグラル・アド・サイエンス社(以下、IAS)の調査では8.4%、Momentum社の調査では9.1%でした。アメリカやイギリス等の主要各国の割合はIASの調査で8.6%ですので、数値としては大きな差はないようです。
出典元: http://ad-veri.jp/whitepaper.html

インターネット広告媒体費は、前年対比117.6%と4年連続で2桁成長を遂げています。
このような成長もアドフラウドが急増している理由のひとつと言えるでしょう。

■弊社でのアドフラウド対策の取り組み
アドフラウド対策を実施する方法は大きく2つあります。
1つ目がテクノロジーを活用する手法、2つ目がアドフラウドを買い付けにくい方法の活用です。
それぞれについて紹介してまいります。

(1)テクノロジーを活用する
アドフラウドへの広告配信を防ぐためのツールは複数存在します。
弊社ではアドフラウド対策ツール「Black Heron」を提供するMomentum社や、グローバル・テクノロジー企業であるIASと戦略的業務提携をすることで、広告主様のマーケティング支援を行っています。
現在のウェブ広告プロモーションの中でアドフラウドへの配信を除外するためには、Black HeronやIASのツールを活用することが有効です。
今回は2016年より弊社で実装しているBlack Heronを活用したアドフラウド対策の事例をご紹介します。

<事例>
Black Heronを介して広告配信を行うことで不正な配信先を検出し、配信を除外することが可能となります。Black Heronでは「ブラウザの特徴」や「不正IP/FingerPrintの管理」、「オーディエンスの行動分析」等、約90種類の判断基準を組み合わせたMomentum社独自のアルゴリズムで不正を検出しています。
Black Heron実装後、約2,500以上もの配信先を検出しました。これらをブラックリストとして登録することで広告の配信先から除外しています。検出されたブラックリストは他の手法で広告配信を行う際にも予め除外することができる為、広告主様の資産として活用することが可能です。
実装後、1000impあたりの費用を表す「Cost Per Mille」(以下、CPM)や1クリックあたりの費用を表す「Cost Per Click」(以下、CPC)は上昇しました。
一方で成果に至った人の割合を表す「Conversion Rate」(以下、CVR)が上昇したことにより、結果として1件あたりの購入単価を表す「Cost Per Action」(以下、CPA)が低下したというケースもございます。
※運用型広告の為、アドフラウド除外以外の要因もございます
広告閲覧が「人」ではなく「機械」の場合、ImpやClickは発生させてもConversion(以下、CV)には繋がりません。当然ですが、ターゲットである「人」へ正常に広告を配信することにより、CVR上昇に繋がるケースもあることが想定できます。

(2)アドフラウドを買い付けにくい方法の活用
アドフラウドはOpen AuctionよりもPrivate Marketplace(以下PMP)、PMPよりも純広告の方が少なくなります。

出典元: https://www.macromill.com/landing/mail/adtech_survey_20150902.html

RTBでの広告の買い付けは在庫量が多くCPMも安価なOpen Auctionでの取り組みが多いのが現状です。PMPや純広告の配信手法を活用することで、アドフラウドへの広告配信を減らすことが可能となります。

一方でOpen AuctionからPMPや純広告への完全な切り替えは、容易ではありません。
特に日本企業の場合、購入や申込みなどの「獲得」が最も重要な指標とされるケースが多く、欧米企業と比較してブランドに対する考え方に違いがあると感じています。
CPMが低い分、Open Auctionの方が最終的なCPAは低くなる傾向があります。CPAの抑制と獲得数の最大化だけを目的にしてしまうと、Open Auctionを用いて単価を抑えることを優先するでしょう。
プロモーションによってPMPや純広告を活用すること、Open Auctionの場合はテクノロジーを活用するなど、状況に合わせて手法を使い分けることが重要となります。

■最後に
アドフラウドの重要性は理解しているもののなかなか取り組みに移せていない、CPMが高くなると今より獲得単価が上がってしまうから実装が難しい、といったお声をいただくことが多々あります。
特に獲得単価に重きを置く場合、短期間の広告効果だけを重視するとそのような判断に陥りがちです。
一方で自社の広告費の一部を不正な事業者への支払い含め、本来意図しない形で利用してしまっている可能性がある場合、防ぐべきではないでしょうか。
アドフラウドやブランドセーフティについては、今後更に重要視されることが想定できます。
予め対策を取ることを推奨します。

アドフラウド対策の取り組みは弊社でも様々な事例がございますので、ご興味がある場合はぜひお気軽にお問い合わせ、ご相談ください。



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