Column

2017.04.13

インハウス型事業支援から見えてきたパートナーシップの在り方


トレーディングデスク局
Sales Division
武田 龍

■はじめに
自社内で広告運用機能を保持したいという企業様が増加している昨今、弊社ではこれまで多数のインハウス型事業支援を展開してまいりました。このような取り組みをさせて頂く中で、様々な視点での、現在の各種業界のニーズとそこにおける企業間の連携の必要性を感じてきております。
そこで、本コラムでは弊社のインハウス型事業支援をご紹介するとともに、そこから見えてきたパートナーシップの在り方に関して言及致します。

■インハウス型事業支援とは
弊社では、運用型広告の最適な実行機能の提供を行うべく、その提供方法のひとつにインハウス(実際にお客様の組織内・部署内に入り、この機能を提供する)という体系を取り入れております。この体系の大目的は、”運用型広告のノウハウ/機能の内製化”にありますが、小目的はお客様各々のニーズに応じて変化いたします。具体的な展開内容としては下記の4点があります。

(1)運用支援
目的:運用機能/知見/スキルの保有
概要:弊社のトレーダーが常駐し、設計から実運用・分析/レビューを実施
   (最新動向のキャッチアップ等も含みます)

(2)営業支援
目的:お客様の営業スタッフの運用型広告におけるセールス力強化
概要:ご提案内容のプランニング・資料の実作成・プレゼンテーション(同行を含む)の実施
   トレーディングデスクのディレクション業務全般の実施

(3)開発支援
目的:お客様のDSP商品開発における機能/UIデザインのクオリティアップ
概要:機能面、UIデザイン・オペレーションレイヤーのデータ取得領域におけるコンサルテーションの実
   施

(4)インハウスカリキュラム(教育支援)
目的:業界理解及び広告運用人材の育成
概要:基本用語から最新トレンドまで網羅できるカリキュラムの提供と解説の実施
   実際の入稿作業および配信のサポート

※お客様のニーズは多岐に渡ることから、機能の提供内容に明確な決まりは設けておらず、都度ご相談のうえ展開・実施させて頂いております。

■インハウス型事業支援が実現すること
では、インハウス型事業支援のメリットはなんでしょうか?
見る立場(広告主or媒体社など)や役職によって内容は異なるかと思いますが、大きな枠組みで見た時に下記の3点が挙げられると思います。

(1)情報分断の解消
インハウス化を行う事によって、途切れてしまったり遅延してしまったりしがちな情報のやり取りが社内で完結し、分断することなく進めることが可能になります。また、仮に社内に運用機能を内製化ことができれば、代理店等には渡しにくい(渡すことができない)情報もきちんと広告配信に活用することができるようになります。

(2)ROI(費用対効果)の改善
完全内製化によるメリットはコストの部分にもあるかと思います。代理店頼みの運用となると、都度委託先への費用が発生してしまうため、社内運用と比較するとトータルコストで大きな差が生まれてきます。また、広告投下予算の規模にも依存しますが、インハウス型支援への投資資金は広告費にかかるマージンの金額を下回ることがほとんどですので、完全内製化に至らない場合でも、結果的にROIの改善につながります。

(3)短期間で即戦力的な人材確保
(2)と重なる内容にもなりますが、インハウス型の事業支援は、形式的には外部からの人材派遣となりますので、短期間で即戦力となる人材を確保することが可能です。1人の人材を採用から育成まで行うコストと比較すると大きな違いになりますし、結果的に”教育”の部分にまでサポートを行うことで人材育成にも貢献することが可能になります。(弊社でも過去にこのような事例があります)

また、上記以外にもインハウス型の事業支援は実際にお客様の中に入り、現場を知る事ができる点に大きなメリットがあります。
どんなに評判の高い企業・事業モデルであったとしても、内情を一切に知らない状況で、それを簡単に導入することは難しいものです。しかし、その内容に精通し、かつ自社の状況をきちんと鑑みた上で判断することのできる人材が確保できれば、全体的な事業ディレクション機能として稼働させることが可能になります。

■今後のインハウス支援の領域に関して
前述の通り、運用・営業・開発・教育と様々な形・領域でインハウス型の事業支援を展開していくことが可能となっていますが、現在のところ、その多くは広告配信におけるメディアのコンサルティング機能や、各ディレクション機能として活用頂くことが多いように感じています。(主に運用・営業部分に当たる内容が多い印象です)

しかしながら、それを突き詰めていった先にあるのは、パートナー企業様の社内運用組織の構築や、新たな事業創造の支援ができることだと私は考えます。そのためには教育や開発といった部分の価値提供を意識し、広げていくことが大切であり、広告主様と、広告を媒介としたメディアとの橋渡しになっていく事が重要です。具体的にはメディア側へのインハウス支援や広告効果の見える化といった開発支援を通じて、そういった知見を持ち、それを拡大していくことで広い視点での価値提供・インハウス支援の領域拡大が可能になると考えます。

■パートナーシップの在り方
さて、ここまで述べてきましたように、インハウス型の事業支援によって実際のお客様の生の声を聞き、共に事業を進めていくことは企業間を飛び越えた知見の共有を実現し、各々の企業のノウハウ及び実行機能の質の向上に寄与しています。

しかしながら、上記のような形で、インハウス型の事業支援により一時的にお客様の事業貢献が成し遂げられたとしても、それを恒常的に成し遂げていく、あるいは改善し続けるには、お客様との適切なパートナーシップを築き上げていく必要があると思います。お客様の本質的な理解や、状況の正確な把握を行うことは前提としてあくまでビジネスの枠組みの中ではありますが、実際にお客様の中に入り感じたお客様と共に事業成長に寄与していくうえでの、私の考える、在るべき関係性を下記にまとめます。

(1)情報を発信し、交換を行うことができること
広告主様との間であれば、「課題の本質や業界背景」と「導入するべきソリューションや事例」媒体社様との間であれば、「サービスの魅力や機能」と「需要の詳細や周囲との比較」といったように、どちらかがより詳しく知っている情報を双方が補完し合うGive & Takeの関係が大切になります。これが実現できているかいないかで課題解決のスピード・PDCAの高速化は全く異なると考えております。

(2)内製化及び効率化を実現すること
自社の業務の在るべき論と重なる部分ではありますが、各々が各々の専門分野に注力できるようにリソースや役割分担を正確に実施し、事業ベース・業務ベースできっちりとした効率化ができていることが重要になります。たとえインハウス化(ブティック化)が実現できたとしても、各々の専門以外の他方面の内容にリソース過多を起こしてしまうと本質的には”丸投げ”状態となってしまっており、本来実行したい機能ではなくなってしまいます。

(3)新たな事業体系の開発・展開ができること
こちらは、上記を踏まえた先にある内容ですが、現状維持or改善の先に新しい価値やサービスの創造ができることも重要な要素だと考えます。身の回りの新しいサービスの中にもこのような形で生まれたものがあると思いますが、双方の良い部分を持ち寄り、他社から見てより良いものを作り上げることができれば、事業の拡大・収益といったステップに進んでいくことができるようになります。

以上のように、ただ現状の課題を埋めるためだけにやみくもにパートナーシップを結ぶのではなく、効率化のうえに立って、さらにその先を見据えた動きを作り出していけるような関係を築き上げていくことが、本質的なパートナーシップの在り方であると私は考えます。

■今後のマーケティングとそれに伴う人材価値の展望
技術が進歩し、身の回りがデジタル化していくことが当たり前になっている昨今、改めて今後のマーケティングにおいてデジタルとその他のオフライン施策を分けて考えることは難しく、本質的には、消費者・ユーザーの視点に立って、どのようなコミュニケーション設計が最も売れる施策になるのか、最も話題になる施策になるのかをフラットに吟味できる事が必要になると思います。定型的な施策(とりあえずテレビ・とりあえずリスティングのような考え方)しか取れない企業やブランドは、一部の超大手企業以外を除き、そもそもの認知を広げることが難しく、市場の拡大も測れないはずです。多様化するコミュニケーション技術やカスタマージャーニーの中のタッチポイントの細分化に合わせて、それを理解し、ベストな組み合わせを選択・実行できることが今後のマーケティングのポイントになってくると私は考えます。

その中でマーケティングに携わる人が必要なスキルは、顧客課題の全貌を理解し全体のストーリーを組み立てられることと、それをきっちりと実行に落とす(言語化する)ことではないかと考えます。現状、デジタルが触れるorわかるだけでもある程度の人材価値は発揮できるかもしれませんが、それはあくまで基盤であるべきであり、テレビもわかる、世の中のトレンドや動向にも強いことで人材としての価値はさらに高まっていくはずです。そこで私達はトレーディングデスクとしての実行力を基盤として、多方面に精通していくことを通して、更なるマーケティング人材としての価値の拡充を目指し、お客様にとってより多くの価値を提供できることに注力していくべきだと私は考えます。

■最後に
業界のニーズは、「餅は餅屋」という完全外注化のスタイルから、それをさらに効率化した、”ブティック化”(機能の自社保有・自社完結)に向いてきております。
弊社はそのニーズに応えるべく、今後も様々な企業様とパートナーシップを結び、知見/ノウハウの拡充を行うと共に、提供できる価値の拡大を実行してまいります。ご興味があればぜひお問い合わせください。


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