Column

2017.03.07

マーケティング担当者が知っておくべきデータ分析から意思決定までの考え方


トレーディングデスク局
Marketing Design Division
青木 文香

■はじめに
ビックデータやデータサイエンティスト、機械学習、人工知能などのデータ周りのキーワードが脚光を浴びだしたことを背景にマーケティング担当者様からデータ分析のご依頼をいただくことが増えてきました。ご担当者様とのお話しの中で、次のような課題が多いと感じています。

(1)大量のデータは蓄積されているが、それをマーケティング活動の意思決定に活かすことができない
(2)社内にデータがあり分析官もいるが、なかなかマーケティング活動に活かせる示唆が返ってこない

弊社ではこうした課題を解決するために一度データを頂き、マーケティング活動における意思決定に活かすための分析を代行しております。当コラムでは、実際にデータ分析に至るまでの考え方をご紹介いたします。この考え方を理解することで、特に(2)の課題を抱えている方は、データ分析からマーケティング活動における意思決定を社内で完結することができると思います。また(1)の課題についても分析をアウトソーシングする際、打ち合わせにかける時間を半減できると思います。どうぞ最後までお付き合いください。

■データ分析から意思決定までの流れ
マーケティング活動におけるデータ分析の目的は担当者の意思決定を支援することです。弊社では「マーケティング課題とその解決策を明確化し、2つの間の文脈をデータ分析で埋めることで意思決定に繋がる」と考えています。これを分解すると大きく3つのフローに分けることができます。

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次項より、各項目を順々に説明します。①~③の番号はデータ分析を意思決定に繋げる上で明確にしていく順序です。それぞれ簡単に説明した後に事例もご紹介しますので、照らし合わせながら理解を深めていただけますと幸いです。

①収益にインパクトのあるマーケティング課題の整理
まずはマーケティング活動のターゲットとなるユーザーから企業の収益になるまでのフローと課題を書き出します。下の図は後ほど説明する事例の中でフローと課題を書き出したものです。

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書き出してみると手を打たなければと思いつつ放置してしまっていたもの、効果を可視化できずに社内の目を気にして投資を控えてしまっている施策など様々なものが上がっていると思います。その中で収益の増加にインパクトがあると想定されるものを、データ分析で解決したいマーケティング課題とします。

②マーケティング課題に対し意思決定に必要な解決策の明確化
マーケティング課題が明確になった後は、どのような形で課題が解決されれば意思決定ができるかを明確にします。この部分を分析官に委ねてしまうことが多いですが、データ分析の結果から意思決定し行動に移すのはマーケティング担当者ご自身です。ご自身で課題と解決策を明確化しデータ分析に取り組むことで、結果的に意思決定までの時間が大幅に削減されます。分析官と連携するのは、その後の段階です。(下記③にて後述します。)

③課題と解決策の文脈を埋めるためのデータ整理と分析設計
マーケティング課題と解決策を明確した後は、その2つの文脈を埋める必要があります。そのためには下記3つのフローがあると考えています。

(1)本当にデータ分析を実施する必要があるか
(2)文脈を埋めるための情報がデータに含まれているかどうか
(3)選定されたデータから解決のための示唆を出すにはどのような手法を使用すればいいか

順を追って説明します。

(1)本当にデータ分析を実施する必要があるか
マーケティング担当者はデータに入り込む前に本当にデータ分析が必要なのか、必要であるならなぜ必要なのか明確にします。課題と解決策を明確にしただけで意思決定が可能ならば無理にデータを使用する必要はありません。直ちに実行に移しましょう。実行スピードはとても重要です。分析を挟む分だけスピードが遅くなるため、ここでは改めて分析を実施する必要があるかを確認します。

(2)文脈を埋めるための情報がデータに含まれているかどうか
当たり前ですが、データにないものの示唆を出すことはできません。マーケティング担当者がデータから読み取れる内容を把握することは、社内外問わず分析官と円滑なコミュニケーションを取る上でとても重要です。

ここまでの2点はマーケティング担当者がデータ分析を実施する上で必ず把握していただきたい点です。3つ目については、社内の分析官、またはアウトソーシングで弊社が代行する部分です。+αで把握いただければ、よりスムーズに意思決定に繋がります。

(3)選定されたデータから解決のための示唆を出すにはどのような手法を使用すればいいか
提示されたマーケティング課題、解決策、データに合わせて分析手法を設定し、分析設計を行います。分析者側の目線で過去にコラムを書きましたので、ご興味あれば一読ください。

<関連コラム>
・広告運用への統計活用方法
http://s1o-i.jp/column/2016/836/

・機械学習を活用した広告分析と運用
http://s1o-i.jp/column/2016/887/

■事例
ここまでデータ分析から意思決定までの考え方を体系的に説明してきました。次よりデータ分析の成功事例と失敗事例を一つずつご紹介します。これまでの説明と合わせて読み進めることをお勧めします。

(1)データ分析成の功事例
成功事例は冒頭で記載したデータ分析を意思決定に繋げるために大切なことの3つがすべて連動しています。「複数の課題に優先度をつける」という少しざっくりした解決策でしたが、マーケティング課題とデータが紐づいていたためスムーズに進行することができました。

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(2)データ分析の失敗事例
失敗したポイントはデータの欠如です。設定した課題と解決策の間で文脈を埋めるためには、市場トレンドとなるデータが必要でした。結局市場トレンドの定義付けが難しかったため、解決策をプロモーションが最適かどうかに焦点を当てプロモーションの実績データから分析を実施しました。

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■まずはマーケティング担当者ご自身で考える
マーケティング担当者としてデータ分析と向き合う際、まず先に考えなければいけないことに数学の知識も統計の知識も必要ありません。ただある程度分析手法を知っておくことで解決策の発想が広がることがありますが、それも当コラムで紹介している定義で十分かと思います。重要なのはマーケティング課題と解決策を考え抜き、適切なデータを整えることです。マーケティング担当者が十分に考えずにデータ分析を依頼してしまう背景には、右肩上がりだった収益も落ち着き、施策の効率化を図っていかなければいけないタイミングが多いように感じています。そのため何か手を打たなければと焦ってしまうのではないでしょうか。しかし、焦ってデータ分析や昨今注目されている人工知能に手を伸ばしたところで改善にはつながりません。

人工知能と聞くと今まで記載してきた「マーケティング担当者が考える」という部分も補えるのではないかと考える方もいらっしゃるかと思います。人工知能はある問いに対して、答えにあたる確率が一番高いものを出力してくれる機械です。そしてその確率を計算する手法が機械学習です。人工知能が脚光を浴びている背景には蓄積されたデータ量が膨大であることと、ディープラーニングという機械学習の発展があります。ディープラーニングは紐解くと主成分分析です。主成分分析は紐解けば相関分析です。このように紐解いていくと最後は四則演算です。つまり人工知能は小学生の時に習った四則演算の塊です。単純な四則演算を相手に何も考えずに高度なテクノロジーを導入したところで、成果を上げられるわけがありません。繰り返しになりますが、ここまで説明してきたデータ分析を意思決定に繋げるために大切なこと3つをしっかりマーケティング担当者ご自身で考え抜くことが大切です。

■最後に
マーケティング担当者が知っておくべきデータ分析までの考え方について説明してきました。弊社がデータ分析を実施したマーケティング担当者様には、実践でデータ分析に入る前の過程の重要さを実感していただきました。当コラムがマーケティング担当者の何かの気づきになり、意思決定の助けになれば幸いです。まだ動き方がわからないという方でも、お気軽にご相談ください。


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