Column

2016.09.14

オンライン動画広告における2軸のKPI -「量的観点」と「質的観点」-


エスワンオーインタラクティブ
動画プロジェクト

■はじめに
昨今、オンライン動画広告の市場は急速に拡大しています。また、市場拡大に伴いオンライン動画広告の活用方法も進化しています。当初はテレビCM素材をそのままオンライン動画広告で配信することが多かったのですが、次第にオンライン動画の良さを活かし、長尺の動画やターゲットの興味関心に合わせた動画素材の配信、オンライン動画のフォーマットを活かした縦型動画での配信など、取り組み方法も多様化しています。

こうした状況下でのKPI設定の考え方について、実際にオンライン動画広告を実施するステップに沿いつつ、事例を交えながらご紹介します。

<オンライン動画広告における4つのステップ>
(1)キャンペーンの目的を明確にする
(2)キャンペーンの目的に合ったKPI設定と評価方法
(3)ビークル(=メディア)選定
(4)定期的なモニタリングとチューニングで改善へ

(1)キャンペーンの目的を明確にする
1つ目のステップは、オンライン動画広告の展開を通して、行いたいこと/達成したいことを明確にすることから始まります。「動画が流行っているから」と闇雲に実施するのでは、マーケティング予算を無駄に活用してしまう可能性があります。キャンペーンの目的は、商品・ブランドの認知からファン化まで、大枠として大きく4つに分類することができます。

購買ファネル

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(2)キャンペーンの目的に合ったKPI設定と評価方法
次に、目的に合わせて何をKPIに置くべきなのかを的確に判断する必要があります。
オンライン動画広告の配信では、完全視聴数やクリック数、配信プラットフォームの持つターゲット別の実績等様々な数値を見ることができます。こういった様々な数値や切り口を踏まえた上で目的に適うKPIを設定しますが、「量的観点」と「質的観点」両方の視点でKPIを置くことが特に重要です。
完全視聴率等の「量的観点」ばかりを追うことにより、意図したターゲットへの配信ができていなかったり、好意度の向上に繋がらなかったりと、結果的に「質的観点」での非効率を生み出してしまう可能性があるためです。

オンライン動画広告の目的別KPI

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※注1:ターゲットリーチ率
施策のターゲットユーザーへ実際に配信できている割合。
弊社でデモグラフィックをセグメントした配信を行った際、配信プラットフォームによってターゲットリーチ率に4倍もの差が出た事例もあります。

※注2:ブランドワード検索数
オンライン動画広告の配信前と配信後でブランドワード検索数がどれほど増えたのかを評価します。

【上記の図を踏まえた「量的観点」と「質的観点」でのKPI設定の一例】
「市場における自社サービスの認知度を知りたい」とご要望をいただき、認知度を測る手法として、動画広告配信とリサーチ会社のアンケートパネルを活用したブランドリフト調査を組み合わせました。
また、配信時に完全視聴数(量的観点)とターゲットリーチ(質的観点)の2つを動画広告配信のKPIとして設定しました。

・設計
配信プラットフォームのデモグラフィック情報をもとに、性別×年代別(例:男性×10代、女性×10代)で配信セグメントを分割。1つのセグメントに配信量が偏らないように設定し、ターゲットリーチの「質」を担保。

・運用
完全視聴者数(量的KPI)が各セグメントで均等(質的KPI)に伸びるようチューニング。

(3)ビークル(=メディア)選定
目的、KPI、ターゲットが定まった後、ビークル(=メディア)選定を実施します。
選定にあたっては、プラットフォームそれぞれのユーザー特性やメディア特性を把握しておくことが必要です。

意図別の主要なビークル例

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(4)定期的なモニタリングとチューニングで改善へ
運用型広告同様、動画広告の配信も日々数値結果をモニタリングしていくことは必須です。
キャンペーンに応じた目的を見失わないことを大前提に、設定したKPIの数値の変動を追っていきます。設定したターゲティング毎に入札単価、時間帯・曜日傾向、エリア傾向、デバイス傾向、広告配信面等をモニタリングし、よりKPI達成にインパクトのある要素をチューニングしていきます。

■上記ステップを踏まえた弊社事例(ブランドリフト調査)
・訴求:ゲームアプリ
・目的:20代~50代の男女にアプリへの好意度を上昇させる(サブ目的:好意度が上がりやすいターゲットを見付ける)
・KPI:[量的KPI] 完全視聴数 [質的KPI] ブランドリフト(好意度)
・実施フロー:動画広告専用のDSP×リサーチ会社のアンケートパネル
①20代~50代の男女に対して均等に動画配信を実施
②週に1度のペースでアンケートを実施し、アプリへの好意度をモニタリング
③好意度の高いターゲット、完全視聴単価の安いターゲットへの配信強化を実施
・結果:全体のブランドリフト値を向上。また、リサーチを通じて女性20代~30代における好意度の引き上げが顕著であることを発見した。

完全視聴数のみを追い求めた場合は、好意度に結び付かない多くのユーザーに配信をしてしまう可能性があります。また、好意度のみを追い求めた場合は、完全視聴数が少なくなり新規で好意度を示すユーザーの増加に結び付かない可能性があります。
上記を想定し、弊社では下図のように3週にわたって改善施策を実施しました。

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また、本アプリの既存ユーザーは20代男性に集中していた背景があったのですが、本プロモーションにおいて新たな見込みユーザー層の発見にも繋がりました。

これまでの弊社のオンライン動画広告案件では、KPIを一軸のみに置いて運用を実施していました。
過去に想起率のみをKPIに設定したケースがあり、想起率のみを追い求めたために視聴単価が高くなり、結果として新規想起者の増加に結び付かない結果となりました。

この経験から、弊社ではプロモーションの目的の達成度を最大限高めるために、「量」と「質」2つのKPIを設定することにしました。今回の事例では「量的観点」と「質的観点」の2つをKPIとして設定することで成功に至っています。

■まとめ
今回ご紹介した4つのステップは、動画広告の成果を知る上で基本となる考え方です。
改めてですが、キャンペーンの目的を明確にした上で、「量的観点」と「質的観点」両方の視点でKPIを置き、継続的な測定と効果改善のためにPDCAサイクルを繰り返すことが、動画広告を活用したマーケティング施策の効果を高める一助となると考えます。


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