Column

2016.05.26

広告運用への統計活用方法




トレーディングデスク局
Marketing Design Division
青木 文香

運用型広告の運用者の方々は、成果を最大化するために日々管理画面の数値と向き合い様々な施策を打たれているかと思います。しかし真剣に向き合っているからこそ、次のようなことで行き詰まってしまったことはないでしょうか。

・オフラインプロモーションの影響からオンラインの成果が変動している気がするが正確には分からない
・動画広告をブランド認知のために配信してみたが、しっかり認知されているのか分からない

解決するにあたり、計測環境を整えるのも一つの手段ではありますが、現実的に計測が難しい場合もあります。弊社では、統計的なアプローチによってプロモーション同士の関係性を分析し、これら課題から少し先に進んだ広告運用施策の実行に繋げております。

具体的に、分析による施策実行までに次の(1)~(5)のプロセスを行っております。

(1)課題の抽出・目的設定
(2)仮説出し
(3)影響していると考えられるデータの選定
(4)因果関係の分析・改善示唆の整理
(5)実行

(1)課題の抽出・目的設定
広告運用で成果を最大化するにあたり、因果関係を可視化するために障壁となっているものは何かを整理する必要があります。障壁は、大きく次の2つに分類できるかと思います。

・「広告配信」が何から影響を受けているのかが分からない
・「広告配信」が何に影響を与えているのかが分からない

ここで考えるべきことは、あくまでも分析結果に基づいて施策を実施し、成果に対してインパクトを与えることです。動画広告やSEM等、オンラインプロモーションだけでも様々ありますが、「何の目的のためにやっている広告なのか」「何にどう効けば成果インパクトが出せると考えられるか」を運用者として選択する必要があります。

(2)仮説出し
上記目的設定に沿って、仮説立てを行います。
まず、オンラインとオフラインの壁を取っ払って考えます。例えばCMの実施、その日の天気、自然検索数の推移…等々、影響していると考えられる要素を洗い出します。
変数は様々ですが、本質を突き成果を向上させるにはここまで思考の範囲を広げる必要があります。

(3)影響していると考えられるデータの選定
次に、仮説を検証/立証する上で、必要なデータの抽出を行います。

・変数の選定 :GRP、ディスプレイ広告の表示回数、サイト来訪数、イベント開催有無 等
・データ粒度 :月毎、週毎、日毎、特定期間合算 等
・分析対象期間:1年間、1ヶ月、特定のプロモーション期間のみ 等

集計可能な最少粒度を基に、どのよう粒度であればどのような結果を導ける可能性があるかを考えながら選定します。また、データを集計している過程で仮説や課題の見直しを行うこともあります。
手間は掛かりますが、ここで妥協をしたまま進んでも良い分析には繋がりません。不安や懸念があれば、すぐに前のステップに戻り見直しを行ないます。

(4)因果関係の分析・改善示唆の整理
選定したデータを基に、弊社では次の3つの分析を主に行っています。

クロス集計
複数の変数を掛け合わせて集計することで、変数間の特徴を把握します。
分析としては簡易的なものであり、普段の業務で取り組まれている方も多いと思います。

回帰分析
ここからが統計的なアプローチです。
数字の上がり下がりの傾向から、変数間の関係性を数値化します。

そのため、「影響を与えているか」「影響を受けているか」といった検証を行う際に有効です。また、複数の施策に対して「どれが1番成果に繋がっていたか」という施策間比較も可能です。

例えば、先程の「オフラインプロモーションの影響から、オンラインの成果が変動している可能性があるが、厳密には分からない」という課題で考えてみます。「オンラインの成果」に対して、仮説に合わせてオフラインのCM出稿有無やイベント開催有無のデータを使って回帰分析を行うことで、各オフラインの施策がどれだけオンラインの成果に関係していたかを数値化することが可能です。

複数の分析手法の掛け合わせ
簡単なご紹介にはなりますが、以下のような取り組みもあります。

クロス集計後にある変数間だけを抽出し、
【1】仮説検証、その際に回帰分析を実施
【2】クラスター分析で類似した要素/項目をまとめてから、回帰分析を実施

検証内容に合わせ、これらのように様々な手法を用いています。

(5)実行
分析結果を基に、当初の目的である広告運用施策の実行に移ります。
従来では因果関係が見えなかった施策同士の影響度合いも含め、成果貢献インパクトを数値化した結果に基づき、成果最大化に向けて調整を行います。

特定のオフライン施策からオンライン施策への影響が分かった場合は、オフラインの施策スケジュールに沿ってオンライン広告運用を実施することも可能です。全施策の可視化が可能なため、例えば出稿判断をする材料として活用し、予算のアロケーションを行うだけでも成果向上に繋げることができます。

■まとめ
今回、広告運用における課題抽出から実行までの弊社の考え方をまとめさせていただきました。
広告運用の視点をもっと広げたいとお考えの方にとって、打ち手の拡大に少しでも繋がれば幸いです。


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