Column

2016.04.05

広告運用者が持つべき統合的なマーケティング展開の考え方




トレーディングデスク局
Marketing Design Division マネージャー
関内悟史

デジタル広告に限って言えば、広告取引形態/広告フォーマット/報酬システム/データ連携等、取り巻く環境は日々変わり市場も拡大しています。

弊社トレーディングデスクではデジタル広告の運用を行っています。
運用型広告市場は伸長が続いており(下図)、プログラマティック・バイイングでの取引がほとんどです。

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※出典元:株式会社電通「2015年(平成27年)日本の広告費」掲載内容より抜粋(弊社にて加工)

また、人や会社によって「運用範囲」の考え方は様々だと思いますが、弊社では一般的に以下流れが運用領域になると考えています。

(1)キャンペーン設計
(2)プラットフォーム/メディア選定
(3)アカウント設計
(4)配信設定
(5)配信
(6)調整
(7)レポーティング
(8)分析
(9)リプラン ※主な行先は(3)(4)(6)、時に(2)に戻る

■2015年から弊社が取り組んでいること
配信1つ1つにおける部分最適化を続けていくうちに、「事業インパクトとなるような大きな成果をどこまで運用でお戻しができるのか」という課題を感じました。そこで、少し広く「事業会社側のマーケティング活動全般」という括りで考え、広告運用に活かせることを考慮して傾斜運用を行っています。
以下、取り組みの例をいくつか記載します。

・TVCMからリスティング広告への影響幅検証(コスト/成果)と運用調整
・エリアマーケティングにおける地域特性検証、配信条件再考
・動画広告から成果までの到達フロー考察とメディア特性把握、リプラン
・記事広告ページ来訪者の記事ページ離脱後から自然検索来訪/成約までの期間
・Web、マスのプロモーションから小売店での購買までの特性把握 等

運用型の広告メニューのみで数字を捉えてしまうと、なぜ急に数字変動が起きたのか不明瞭でも「なんとなく良さそう…」で続けてしまいがちだと思います。

第三者配信、マーケティングオートメーションツール、DMP連携等、プロモーションを統合管理・分析する仕組みは様々ありますが、成果項目から重回帰分析を重ねていくだけでも十分に把握と試算は可能です。早さと有意な精度を優先し、「可能性があったらまずやってみる」というスタンスを持ち続けていきます。

■デジタル広告運用における考え方
取り組み例も含めてご紹介しましたが、掲題の「考え方」について言及します。

<前提>
(1)情報整理
・広告主側で、どのような展開をしているのか
→PR、広告(オンライン/オフライン)、SNSでの記事投稿 等
・展開している施策の目的は何か

(2)現状把握
・目的に対して、現状どのような影響関係があるか
・影響関係を踏まえ、それぞれの施策でどれだけの成果が期待できるか
→実施単価を鑑みると、採算性はどの程度か(オフライン/PRを含む)

これらを一度把握し、広告主側と運用側での差異をまず埋めることが必要です。特に、現状把握は情報の粒度/単位を揃えることをお勧めします。例として、「TVのGRP」と「DSPのクリック」では、粒度も数字の持つ意味も全く異なります。プラットフォームやツール毎で計測する情報の定義や仕様も異なることも多いので、注意が必要です。

<考え方>
1つは、デジタル広告メディア起点でのプランニングを止めることです。理由は、「そのメディアでどう解決するか」というサイクルに陥るためです。中立の視点で情報を捉え、判断することが重要です。

もう1つは、「何の目的を達成するために」誰にどのメッセージをどう伝えるべきなのか、マーケティングの根本に立ち返って判断すべきです。目的達成に対する本質を失ってしまっている例としては、「リターゲティングのマークを溜めるための広告配信」や「効率の良いリターゲティングセグメントの拡張配信」です。元々リターゲティング対象はどのようなターゲットだったのか、信憑性の低い3rd Partyの情報に委ねて配信を行ってしまっていいのか、最初の目的との照合を必ず行うべきです。

■統合的なマーケティング展開に視点を上げる
・極論、広告主側が何かを意図して情報を発信したら、それはマーケティングです。
・場所によって、まだまだ紙媒体が強い地域もあります。
・顧客に検討してもらう期間が、極端に長い/短い商材もあります。
・国内では、まだまだテレビの影響が強いです。
・情報を受け取る一般消費者からしたら、可処分時間は変わりません。

その中で、運用型広告をどう活用し、どう価値を提供していくかの試行錯誤を続けることが必要だと考えます。

ご覧いただいた方々の何かしらのご参考になれば幸いです。


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