Column

2016.12.16

アプリプロモーションにおけるトレンドと運用方法


エスワンオーインタラクティブ
スマートフォンプロジェクト 大和田 想

■はじめに
昨今、あらゆる業界がスマートフォンアプリに参入しております。スマートフォンアプリには当初ゲームアプリが多く参入し、市場としても盛り上がりを見せていました。2016年現在、ゲームアプリ市場は変わらず拡大していますが、他業界もアプリへの参入が増加しています。また、国内アプリ数は年々増加傾向にあり、アプリ市場は今後も伸びることが期待されます。そのような状況でアプリを多くのユーザーに利用してもらい、収益に繋げることは各企業の課題でもあります。

■アプリでの収益化において必要なこと
各企業の課題であるアプリの収益化に必要なポイントをご紹介します。
アプリでの収益化がうまくいっている企業は以下3点をスムーズに行っているケースが多いです。

(1)ユーザーニーズを正確に把握しプロジェクトチームへフィードバックする
(2)アプリ課金モデルを理解し最適なモデルを採用する
(3)最適なプロモーションを実施する

一度アプリをリリースした場合でも、上記の3点に立ち返り都度アプリのアップデートをする必要があります。また、開発工数やデータベースを使用等技術的な話もありますが、ここでは割愛しアプリ収益化における構想について記載します。

(1)ユーザーニーズを正確に把握しプロジェクトチームへフィードバックする
アプリをよりユーザーに使用してもらう上で、ユーザーニーズを調査することは必要不可欠です。

・ユーザーの属性情報
・ユーザーが価値あるアプリだと思う内容
・ユーザーの類似アプリに対する印象
・ユーザーはどのようなことに困っているか

上記を知ることで、ターゲットとなるユーザーはどの様なペルソナか、どの様なニーズがあるのか、なぜユーザーはそのアプリを利用するのか等のイメージができる様になります。また、その内容をプロジェクトチームへしっかりとフィードバックすることが大切です。
企画者と開発者の間で上記の情報連携が取れていない場合は、デザインやユーザビリティが意に反するものになってしまいます。そのため、しっかりとコンセンサスを取り進めて行くことが前提となります。

(2)アプリ課金モデルを理解し最適なモデルを採用する
アプリで収益をあげる上で「課金モデルをどうするか」とういう観点は避けて通れない道です。
現在主流となっているアプリ課金モデルは以下の通りです。

・フリーミアムモデル(SpotifyやEvernoteが有名)
アプリ自体は無料でインストールできます。一定期間そのアプリ内の有料機能をトライアルで利用でき、アップグレードさせたいとユーザーに思ってもらう方法です。

・定期購入モデル(Apple MusicやHuluが有名)
アプリ自体は無料でインストールできますが、有料コンテンツを利用する場合は月額○○円の一定額を支払う必要があります。

・アプリ内課金(パズルアンドドラゴンズやモンスターストライクが有名)
アプリを利用しアイテムや追加機能を取り入れたい時に都度課金が発生します。

・アプリ内広告(FacebookやYouTubeが有名)
広告表示でマネタイズする方法です。

・有料販売アプリ
アプリインストールの際、料金が発生します。

「(1)」で記載した、どの様なユーザーがターゲットになりどの様なアプリかによって選定すべき課金モデルは異なりますが、アプリを利用するシーンを把握し選定することをお勧めします。
また、上記の課金モデルは独立しているものではなく組み合わせもできるため、ユーザビリティを意識した上での課金モデル選定が必要です。

(3)最適なプロモーションを実施する
ユーザーニーズを把握し課金モデルを選定したあと、ターゲットとなるユーザーへのアプローチも非常に重要です。ターゲットによってアプローチする手段は変化しますし、訴求するメッセージも異なります。企業によって様々ですが、アプリ開発チームとプロモーションチームが完全に独立しており連携が取れていないケースも多くあります。そのため、アプリがアップデートされても一度インストールしたユーザーへのリテンション施策に活かせず休眠ユーザーへ伝えたいメッセージを伝えられない場合や、インストールして欲しいユーザーではないユーザーに広告を配信してしまうことも多くあります。

アプリをターゲットユーザーへ訴求して、インストールを促し定期的に利用してもらうためには、前述した3点を意識しユーザビリティ向上から最適なプロモーションを実施することが必要不可欠です。

■今までのアプリプロモーションと収益課題
企業がアプリからの収益をあげるためには、前述した内容に加えて、大きく分けると以下の2つが必要です。

(1)アプリをより多くのユーザーにインストールしてもらう
(2)インストールしたアプリを定期的に利用してもらう

アプリプロモーションという軸では、(1)が主流でした。
KPIにCPIを設定し、低単価でインストールできるプロモーションに多くの費用を投下していました。
主流なプロモーションとして

・リワード広告
・アドネットワーク
・ソーシャル広告
・リスティング広告
・動画広告
・プレスリリース

等が挙げられ、上記のプロモーションを組み合わせながらCPIを抑える運用が注目されていました。

しかし、前述した通りアプリ市場は年々増加しており様々な業種の企業がアプリをリリースしている現在、インストールを多く促しても収益化することは難しくなってきました。
ユーザーがインストールしたアプリを定期的に利用してもらうための施策がないとそのアプリは利用されなくなってしまいます。

■アプリリテンション施策
2016年に入り、アプリのリテンション施策が各所で重要視されるようになり、従来のCPIをKPIとする企業がROASやLTVに重きを置くように変化してきています。
以下の図は、弊社がアプリリテンション施策の必要性について企業様にご提出している一部です。

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特に「事象1」は、アプリからの収益を上げられなくなってしまうことを意味します。
そのため、アプリを定期的に利用してもらうための施策が重要になります。

アプリリテンション施策には以下の手法があります。

(1)プッシュ通知
ユーザーがアプリを起動していなくても、企業側からメッセージを送ることができる機能です。
しかし、使い方を間違えてしまうとユーザーがアンインストールしてしまう可能性もあります。
「どの様なメッセージを」「どのタイミングで(時間帯)」配信するかが鍵となります。

(2)広告配信
一度アプリをインストールしたユーザーへ広告を配信する手法です。この手法ではよりクリエイティブが重要になります。ゲームアプリであれば「アプリログインで○○キャラクタープレゼント」等のインセンティブを訴求する方法があります。ファッションアプリであれば「2017年春の新作をアプリで公開!」等の情報を訴求し、ユーザーメリットを伝えることが大切です。

(3)ディープリンク
アプリの特定のコンテンツページへ直接遷移するリンクのことです。
以前まではアプリへのリンクはApp StoreやGoogle Playなど、アプリストアページヘのリンクが一般的でした。しかしディープリンクの登場により、Webサイトからアプリ起動、アプリの特定コンテンツヘの遷移ができるようになりました。特定ページまでの導線最適化が実現できるため、アプリからの離脱を防ぐことが可能です。

■アプリ利用ユーザーのセグメント化が重要
アプリリテンション施策を実施する上で、アプリ利用ユーザーのセグメント化は非常に重要です。
例えば、直近1週間以上アプリにログインしていないユーザーや、課金をしていないユーザーを分類しそれぞれへアプローチをすることが大切です。Webプロモーションでは、DMP等を活用してユーザーをセグメント化しそれぞれに合わせたコミュニケーション手法を行っていますが、アプリ施策も同様の考えで実施することが重要だと弊社では考えています。

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上記の図は一例ですが、アプリ内の行動を把握しどの様なセグメントを作成するか、また作成したセグメントに対してどのようなコミュニケーションを取るかを考えておくことはプランニングにおいて必須です。その際のKPIを「ROAS」や「リテンション率」で設定し、プロモーション後のユーザーの行動変化によってPDCAを回していく運用が必要不可欠となります。

加えて、「どのタイミングで訴求するか」を見落とさないことが大切です。
同じ訴求方法・訴求内容であったとしても、昼の時間帯に電車に乗りながらアプリを開いているユーザーと、就寝前のリラックスした状態でアプリを開いているユーザーでは反応が変わってくるため、セグメント化したユーザーのモチベーション向上ポイントを仮説立てて運用することが前提となります。

■ツール選定の重要性
前述したリテンション施策の考えは、導入するツールによって大きく左右されます。
アプリにはSDKを導入しますが、そのSDKについても様々なベンダーが登場しておりどのSDKを導入してリテンション施策を実施していくかもプランニング時の大きな課題となります。
アプリプロモーションを実施していく上でどの様な課題があり、どの様なメッセージを伝えたいかにもよりますが、弊社がSDKを選定する上では以下の2軸を重要視してご提案するケースが多いです。

(1)トラッキング方法
SDKにはトラッキング方法がベンダーにより異なります。

・finger print
・Cookieを利用した計測
・Androidリファラ
・広告IDデータ

等様々ありますが、どのトラッキング方法も長所・短所があります。
課題を明確にした上でどのトラッキング手法が良いかのご提案も弊社では実施しております。

(2)外部プロダクトとの連携
SDKを導入しても、そのSDKのデータを外部プロダクト(DSPやソーシャル)へ渡せなければリテンション施策が困難になってしまいます。そのため、どの外部プロダクトとAPI連携しているかは非常に重要な選定判断ポイントになります。どんなにアプリ内の行動分析ができても、外部ツールとの連携が一切できなければプロモーションへの転用が難しくなるため、できるだけ多くの誘導導線を網羅したプロダクトとの連携を実現しているSDKを弊社ではお勧めしています。

■最後に
弊社では、アプリプロモーションを実施していく上で以下を重要視してご提案しております。

(1)プロモーションにおける課題や目的の明確化
(2)(1)を理解した上で最適なプロモーション方法の戦略・戦術立案
(3)(2)を実現できるSDKの選定とご提案

その上で運用・モニタリング・分析・次回施策立案のPDCAを回しております。
アプリプロモーションにお悩みの場合や、ご興味がある場合にはぜひお気軽にお問い合わせください。


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